休日、私は何時もの様に車を走らせていたが、走らせている道は何時もとはちょっと違った。

私は周りからも飽きれられる程、銭湯好きだ。

自宅から気軽に行ける銭湯が7軒程あったのが原因かも知れない。

休みの日には、この7軒から1つ選び用事を済ませ、早い夕方から湯に浸かる。

なんとも年寄りじみた・・・いや、歳なのかもしれないが・・・

そう言う訳で、今日はまだ1度しか行っったことのない銭湯を選んで、向かっているわけだ。

行きなれない銭湯は何時もながらワクワクとして楽しいものだ。

券売機で入湯料を払い右側の通路から湯処へ向かう。

やはり2回目でもワクワクする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯に浸かると時間が急激に減速を始める 。

 

陽の光が湯船に反射し、閉じた眼の奥でキラキラと光り輝く。

 

温かさが身体全体に伝わり始め、私は閉じていた目を開いた。

目の前の高さ4m程の樹木に気づいたのはこの時が初めてだった。

(シマトネリコ・・・前回は気づかなかったなー・・・)

私は心の中で呟いた。こんなに立派なシマトネリコに、前回気づかなかった事が園芸屋として少し悔しかった。

しばらく樹木をボンヤリと眺めていると、小さな女の子がお父さんに手を引かれ露天風呂へとやって来た。

親子は迷いもなく壺風呂へと入った。壺風呂はその名の通り壺型の風呂で親子には人気の湯船だ。

ちょうどその場所にそのシマトネリコも植えてある。

女の子がはしゃいで湯船を揺らした。「こらっ、やめなさい楓(カエデ)」

お父さんが優しく女の子を叱った。

(楓ちゃんって言うのか・・・)

私の知り合いにも、同じ名の子がいたので、すぐに耳に付いた。そっちは男の子だったが。

「パパ、この木なーに?」

女の子が樹木の名前をお父さんに尋ねた。

私の耳は完全に、この会話に釘付けだった。(さー、父よ何と答える!)

普通、一般的に考えて、この木を「シマトネリコ」と答えられる人は、そうそう居ないと思うのだ。これが「マツ」や「サルスベリ」であるならまだしも。

「う~ん、これかー、これはね、トネリコだな」

(おっ!)

「いや、シマトネリコだな」

(おー、何と言い当てた・・・)

そして、その後も女の子が指す樹木や植物の名前を的確に答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パパこのシマトネリコもチョキチョキするの」

「いや、この木はあまりやらないなー」

どうやら、お父さんは庭木を手入れする職人らしい事が、会話から読み取れた。

しばらく、そんな暖かな風景が目の前を流れた後、大きな風がシマトネリコを揺らした。

それが合図だったかの様に、その親子は内湯へと戻って行った。

身体と心が完全に温まった私は、今週も頑張るぞと思うのです。

 

さーっ、本日からグリーンファームは大セールですっ!!

皆様の起こしを温まった心でお迎えいたします。

 

・「トネリコ」、「シマトネリコ」

昔、園芸店では混同される事が多かったが、最近では常緑と落葉の違いがあるため、しっかりと区別される様になった。

トネリコは落葉

シマトネリコは常緑(冬に少し葉を落とすので半常緑と記す書もある)

美しい緑と清々しさのある樹形で、最近はシンボルツリーとして人気です。

剪定は基本行わず、混み合った枝を樹形を崩さない様に落とすのが好ましい。

 

ブラックドッグ・セレナーデ

 



  1. It‘s quite in here! Why not leave a response?